グリストラップの設置義務はどこに書かれているか
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「グリストラップは法律で設置が義務づけられています」という説明をよく見ます。言いたいことは分かりますが、条文をたどると書かれている場所が違います。 ここを正確に押さえておくと、業者の説明が正しいかどうかを自分で判断できます。
① 排水設備の技術上の基準には、書かれていません
下水道法第10条第3項を受けた下水道法施行令第8条は、排水設備の設置と構造の技術上の基準を11号にわたって定めています。接続のしかた、構造の堅固さ、材料、勾配(100分の1以上)、ます・マンホールの位置、ふた、どろため(15cm以上)まで細かく決めています。
この11号のどこにも「阻集器」「グリストラップ」という語はありません(当サイトが e-Gov法令検索の下水道法施行令で全号を確認。2026年11月6日)。
② 義務は「水の質」にかかっています
下水道法第12条第1項は、公共下水道管理者(多くは市町村)が、条例で除害施設の設置その他必要な措置を義務づけることができるとしています。
そして下水道法施行令第9条が、その条例を定められる範囲を示しています。
| 項目 | 範囲 |
|---|---|
| 温度 | 45度以上であるもの |
| 水素イオン濃度 | pH 5以下または9以上であるもの |
| ノルマルヘキサン抽出物質含有量(鉱油類) | 1リットルにつき5ミリグラムを超えるもの |
| ノルマルヘキサン抽出物質含有量(動植物油脂類) | 1リットルにつき30ミリグラムを超えるもの |
| 沃素消費量 | 1リットルにつき220ミリグラム以上であるもの |
出典:下水道法施行令第9条第1項(e-Gov法令検索・当サイトの確認日2026年11月6日)。
飲食店の排水で問題になるのは、動植物油脂類の30mg/Lです。 この線を超える水をそのまま流すことは、条例で禁じられます。
③ グリストラップは「線を守るための手段」
ここまでをつなぐと、こうなります。
- 下水道に流せる水の質に、条例で線が引かれている
- 飲食店の排水は、そのままでは動植物油脂類の線を超える
- だから油を分けて止める設備が要る = グリストラップ(阻集器)
「法律が設備を指定している」のではなく、「結果を出せる設備を自分で用意せよ」という構造です。 だから自治体ごとに、容量の決め方や清掃の頻度の指導が違います。
④ 自治体によって運用が違います
条例と指導指針は自治体が決めるため、次の点は地域で変わります。
- 設置が求められる業種(飲食店以外にどこまで含むか)
- 容量の計算方法(席数か、厨房面積か、排水量か)
- 阻集器で足りるのか、除害施設が要るのか(排水量が多いと阻集器だけでは足りないとする自治体があります)
- 届出・確認申請の要否と、添付する書類
業者から「条例で決まっています」と言われたら、条例の名前と条の番号を聞いてください。 答えられる業者は、その自治体の手続きを分かっています。
仙台市の場合は仙台市の場合にまとめています。清掃で出たものの扱いはこちらです。
この記事は条文の構造の説明です。 個別の設置義務・容量・頻度は、お住まいの自治体の下水道担当課にご確認ください。条文は e-Gov法令検索の下水道法および下水道法施行令で確認しています。
最終更新:2026年11月6日